価値

ローザスのニューヨーク公演から戻る。今週末はワークショップとクロスグリップx2の発表の為に日本へ出発だ。時を追っかけているのか、時に追っかけられているのか分からなくなる。   ニューヨークでは、ローザスの80年代の作品、「Fase」「Rosas danst Rosas」「Elena’s Aria」「Bartók/Mikrokosmos」の4作品からなるEarly Worksを10日間に渡りLincoln Center Festivalにて発表した。これらの作品のすべては、アンヌテレサがまだ20代の時に創ったんだと思うと改めて感心する。(もちろん私も20代だった訳だが……)
 
 ニューヨークでは、以前一緒に仕事をした、Nature Theater of OklahomaのPavol LiskaとKelly Copperに会えてゆっくり話す事が出来た。彼らは今年、10月のグラーツ公演後、カンパニーを解散するそうだ。価値感問題やプライベート問題で仲違いが起こり、ラディカル思考のパボルらしく、カンパニーは忘れられても良い、名声も何もいらん!と解散に持ち込む事に決定。次のステップを踏むのにすべてを捨てる事を望むタイプの演出家である。「無」と言う漢字の書き方を教えてと私に聞いて来たくらいだから、まだまだ迷いや怒りや不安や、その他もろもろはあるのだろうけど、「無」と言う漢字をなぞりたい心境なんだろう。何も計画がない、今後が分からない、何も分からない事を敢えて楽しみたい。しかし作品を創り続ける野望は沢山あるようである。

 アンヌテレサとも話す機会があった、話合いは終わってないので、明日か明後日、食事でもしながら続きを話さなくてはいけない。彼女との場合はパボルとは真逆だ。2年〜5年後の計画の話である。「そんな事分かりません、今は考えれない、考えたくない」は、返事になっていないと言われ、これには少し辟易状態である。ローザスと言う工場の様になってしまったカンパニーは、誰かが怪我をしても病気をしても運営されなくてはいけなく、ダンサーよりその周りを支えているスタッフの数が倍になっている。この2シーズン、ドラミング公演は再演から今日まで常にダンサーの怪我に悩まされた。キャストを一新して若いメンバーに教える計画が決定。失う作品の質と伝授出来切れない作品内容、ダンサーのモチベーション……私がアンヌテレサに話したい事は尽きない。レパートリーとして作品を残し伝授する事をどう思うか、カンパニーにとってどうなのか、社会にとってどうなのか、まだまだ話合いが必要である。あと、一番厄介なのは、アンヌテレサ自身は新作を創り続けたく、レパートリー教育を私達OBに任せている事だろうか。まぁ…アーティストとして分からないでもない。私も教えよりダンサー/舞台人でいたいのである。

ニューヨークのアーティストは日本の環境と似ていて、国からの支援が乏しい。或いは全くない。それに比べて我々欧州は贅沢なものである。その代わり、ローザスレベルになると、演出家の我が儘や振付家の病気での解散は勝手に許されない。自分を追い込むにしてもアンヌテレサのストレスとパボルのストレスは、何だか随分違う。

パボルの作品は、今その場所に自分がいないと、完全にアウトになる構成になっていて、here and nowそのものである。失敗をして、「どうして」なんて考える隙もないストラクチャーを与えられる。先週、アンヌテレサと舞台に立って、一度に3つくらいの事を考えながら踊っている彼女には、「私と一緒に踊ってよ」と言いたくなる時が何度かあった。それはそれで何だか彼女の立ち位置が可愛そうだった。

このニューヨーク滞在は、踊る価値、生きる価値、何を捨て、何を守りたいか、色々と考えさせられた日々であった。

学ぶ事は学んだ量ではなく、学んだ事により、どう進化するか、自分を変えたいか、変えれないか、そう云う認識が出来る事なのかもしれない。

さて、来週の今日から日本でクロスグリップのリハーサルが始まります。ワークショップも御陰様で色んなところで開催され、日本の皆さんと交流する機会が持てそうです。

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8月2,3日アネックス仙川ファクトリー

tel:03-3309-7200 

8月12,13,14,15日アーキタンツ、ローザス・ダンス・ローザスWS

http://www.a-tanz.com/dance/2014_08_fumiyo.html

8月16日クロスグリップx2、WSショーイング

http://www.a-tanz.com/dance/stpf_vol5_top.html

8月17日アーキタンツ、ローザス・ダンス・ローザス椅子のパートWS

8月18,19,20,21,22,23,24日森下/東京国際ワークショップReAction ドラミング

http://dtludens.jp/pg17.html

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価値」への1件のフィードバック

  1. 8月のアーキタンツでのショーイングを観ました!すごく素晴らしくて、扶美子さんが踊る姿をみていて、涙がぽろぽろ出っぱなしでした。なぜだろう・・・って不思議です。おまけにきれいで、かわいくて、お会いできてうれしかったです。日本での公演を次回も楽しみにしています☆ワークショップ参加者の人たちの動きも、すごかったです。朝の状態(でしたっけ・・・?)のとき、みんなが一枚の布みたいに揺れる感じが面白かったし、あんなふうに大勢で動ける、息を合わせられる状態が・・・人間も、魚や鳥が群れをつくるように、つくれるんだ~!って。びっくりだけど、ほんとうはそういうものなのかもっていう、発見というか、そんなふうに思いました。それって、ただ人同士が寂しくてつるんで、群れるのとは違う、生物としての人間の在り方というか、そんな感じ・・・。
    すごくいろんな感動をもらいました。ありがとうございました。また次回も楽しみにしています!!

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