Mission

今、ドイツのハノーバーで行われているフェスティバルにNine Fingerで参加中だ。今回のこのフェスのテーマはコンゴ/アフリカ。私達の作品Nine Fingerは少年兵を題材としている。アフリカの話だとか、アフリカの少年兵の話しだとか、はっきり言わないけど、知る人、思いのある人にとっては、まさにそういう内容なのである。

何度も言うが、私は1つのテーマや私の答えを訴えるつもりもないし、それを押し付けるつもりもない。お客さんが感じた事がこの作品のテーマや答えである。或いは答えがないのかもしれない。あなたが感じた事はあなたの意見なのでそれは尊重したい。それらは私と同じである必要がない。

コンゴ人達がフェスの中に沢山参加している。彼らも作品を観に来てくれた。家族の中には少年兵になって、今も復帰出来ていない従兄弟を持っていると話してくれた人もいた。地球の裏側の話と言ってしまえば、それでおしまいだが、演じている私にとっては、アフリカの少年兵だけではなく、自分の街で起こってもおかしくない、形を変え同じ様な問題が起こっているかもしれない。そういう大きな意味で演じているつもりだ。

一人のコンゴ人が言った。身近過ぎるテーマであり、全く改善も解決もされていない、どうしょうもない社会問題なので、観ていて辛かった。

私達外国人に、このテーマで作品を創る資格はないのだろうか。私達だから出来る事もあるのではないだろうか。

7年前にこの小説:Beasts of No Nation /Uzodinma Iwealaで作品を創ろうと決めた時、私達はこの題材を使う事に対しての責任を取れるかに付いて沢山話し合った。アーティストとしての役目。私達に出来る事。距離感。フィクションとノンフィクション。

今回この作品を再演する事にした、大きな理由の一つは、この作品には、この問題を「伝える」と言う使命がまだ残っているのではないかと云う事だ。この問題を解決してほしいとか、彼らにも未来がある、未来がもうないとか、そういう事を伝えるのではなく、「少年兵がいるんだよ」と舞台の上から、私の出来る立場から、伝えるという使命があるのでないかという責任を思い、再演する事に決めたのである。

舞台に立つ表現者、その他のアートで社会問題を取り上げるのは、非常にインパクトがあり、多くのアーティストが意識し自分の作品の中で表現し訴えている。複雑な思いに繋がるのは、必ずしもこのような社会問題を取り上げないと最近は作品として受け入れて貰えないくらい、ヒットし社会もアーティストにその風潮を求めている事だ。これは今始まった事ではないが、今またその風潮が充満している。日本でいえば、2年前の東日本大震災がそれであろう。

大きなテーマがどんどん狭くシャープに突き刺さるだけではなく、そこからどこに繋がるかが大変に難しい。

私からは個人的に解決策も自分の意見もない。出来ない。ただ現在進行形で演じるしかない。

 

 

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